Q.築年数が経ったマンションは「建て替え」になるのでは?

 

A.3つの理由から建て替えはほとんど実現しません。

 

【1】建て替えの合意形成はかなり難しい

区分所有者の5分の4以上議決が必要だからです。

 

管理組合が機能していない・面倒なことをしたくない・建て替え費用を負担できない…など感情的なことや経済的なことも含め、様々な反対が起こります。

とくに「ここで一生を終える」というご高齢の方が多いようです。

 

【2】余剰容積率がないと等価交換が成立しない

通常建て替えは、デベロッパーが以前よりも大きな建物をつくり、増えた部分を売りに出して建築費用をまかないます。

 

しかし、1960~1970年以降の建物は容積率いっぱいでつくっている場合が多く、以前よりも大きな建物をつくれません。

その場合に同程度の部屋を等価交換する場合には、建て替えの際に多額の持ち出しが必要になります。

 

なので、そのような場合には、大体は元の部屋よりも小さい部屋を割り振られるか一定のお金と交換される形になります。

現状、お部屋の広さが必要な場合には、上記の合意形成は難しくなります。

 

【3】早期の建て替えが可能なのは一等地の場合

余剰容積率があり、持ち出しすることなく建て替えられたとしても、増えた部分が売れなければ建て替え費用を回収できません。

 

よって、早期の建て替えは買い手が付きやすい人気エリアに限られます。

 

上記3点の理由から、マンションは建て替えを念頭に置かず、所有者(管理組合)が修繕していく必要があります。

理論上、管理されたマンション寿命は100年以上です。

 

事実、ほとんどの建て替えケースは、建物の寿命というより「建て替えた方が利益になる」という経済的メリットがあったために合意形成がとれたと言えます。

よって重要なポイントは、管理組合が一致団結し、マンションの管理・維持に全員が尽力する事になります。

 

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